表面触媒を用いた通信ブラックアウト低減化
通信ブラックアウトは再突入機との通信を阻害する現象の1つで、その低減化が求められています。当研究グループでは再突入カプセル表面材料の触媒性がカプセル後流の電子密度を減少させる効果に着目し、新しい通信ブラックアウト低減化手法の研究に取り組んでいます。これまで「京」コンピュータを用いた計算科学的アプローチによる数値的実証と、JAXA大型プラズマ風洞を用いた実験的実証を行ってきました。
表面触媒効果による電子数密度低減(上:触媒なし、下:触媒あり)
エアフィルム効果による通信ブラックアウト低減化
当研究グループでは通信ブラックアウト低減の新たな手法として、機体表面から冷却気体を噴射して断熱層を形成するエアフィルム効果の研究に取り組んでいます。高エンタルピー流解析と電磁波解析により低減化効果が示唆されましたので、現在は大型プラズマ風洞での実証試験を計画しています。また、「富岳」コンピュータによる大規模解析も予定しています。
エアフィルム効果による電子数密度低減
(上:冷却気体の吹き出しなし、下:吹き出しあり)
冷却気体の質量流量の差による電場強度分布の違い
(上:質量流量 0.10 g/s、下:質量流量 0.40 g/s)